みつどもえ 20年後のおしょうがCHU (その1)   その1 その2 その3

ぴんぽーんぴんぽーん

ふたば「あっ、みっちゃーん、いらっしゃーい! 明けましておめでとう〜」
みつば「はいはい、おめでとう。お邪魔するわよ」
みつば「よっこら…しょっと」
ふたば「みっちゃん、おっさんくさい」
みつば「この頃膝が痛くてねぇ…足を上げたり降ろしたりがしんどいのよ」
ふたば「体重何トンになった?」
みつば「もうすぐ0.1トンよ」
ふたば「大台突破間近だね!」
みつば「そうなの、すごいでしょ」
ふたば「すごいすごい」

「ぶたがきたー!」「ぶたー!」「ぶたのおばちゃーん!」「…ようこそ豚」「お年玉ちょーだーい!」

みつば「あ〜もうまとわりつかないでよ〜! うっとうしい! しっしっ! ブタブタ言うな!」
ふたば「そうだよ、雌をつけなさいよ!」
みつば「ちょ、それ私のセリフ」
ふたば「そだっけ」




みつば「ガキんちょ共ったら、お年玉あげたらさっさといなくなっちゃったわ…現金ねぇ」
ふたば「誰に似たんだろうね」
みつば「こっちが聞きたいわよ」
信也「俺じゃないのは確かだな」
みつば「どーだか、特に和也は昔のあんたそっくりになってきたわよ。ね、そう思わない?」
ふたば「だって、しんちゃん?」
信也「そうか?」
みつば「そーよ。生意気なところとか。むっつりでパンツが好きそうなところとか」
信也「なんだよそれ」
ふたば「私はずっとしんちゃん見てるから、わかんないなぁ」
みつば「うざっ」
ふたば「でも和也、学校でもすごいモテてるみたいだよ。おっかけの子が何人もいるって」
みつば「へえ、やるじゃん。どっかで聞いたような話だけど」
信也「それって、必ずしもいいことばかりじゃないんだけどな…」
みつば「なんだか実感がこもってるわねぇ」
信也「お前も知ってるくせに…」
みつば「さあ〜?」
信也「あいつもあの頃の俺と同じ苦しみを味わっているわけだな…血は争えないか」
みつば「和也はいくつになったんだっけ?」
ふたば「12歳だよ。6年生」
みつば「は〜じゃあ、今年で小学校卒業かぁ。あれからもう12年経ったなんて信じらんない」
ふたば「あのときは大変だったよね〜」
みつば「そんな人ごとみたいに…こっちは身内がスキャンダルに巻き込まれるなんて夢にも思わなかったんだから」
信也「スキャンダルとか、大げさすぎだろ」
みつば「新聞にまで載っちゃったのに、どの口がスキャンダルじゃないとかぬかすのよ」
みつば「高校の時は陸上短距離初の金メダル確実! なんて騒がれていたのにねぇ」
みつば「なのに20歳でデキ婚してあっさり引退しちゃうとか。おかげでうちにまでマスコミとか来るし」
ふたば「えへへ…///」
みつば「照れてるんじゃないわよ、気持ち悪い」
ふたば「えっへん」
みつば「誉めてもないし!」
みつば「それからよくもまあ、飽きもせずに毎年ポコポコポコポコ、6人も7人も」
ふたば「8人だよ」
みつば「そこまで来たらもう数の問題じゃないっていうか…何人でも変わんないって話よ…」
みつば「だいたいねえ、出産祝い贈る方の身にもなってよね。ホント毎年毎年、出費だってバカにならないんだから」
ふたば「…ごめんね、みっちゃん」
みつば「えっ、べ、別にいいんだけどさ。めでたいことはめでたいし…」
ふたば「ううん、じゃなくて」
みつば「?」
ふたば「もうすぐ4ヶ月♡」
みつば「よん…って、はあ!?」
ふたば「しかも双子だって〜。だからみっちゃん、ご祝儀も2倍おねが〜い♡」
みつば「あ…あ…」
みつば「あんたら…」
みつば「いったい何人こさえりゃ気が済むのよ…この万年発情ケダモノ夫婦が!!」
信也「い、いいだろ」
ふたば「めでたいし!」
みつば「年がら年中さかってるんじゃないわよ! 今度はいつ仕込んだのよ!?」
ふたば「いつだっけ?」
信也「い、いや…」
信也(雲行きが怪しくなってきたぞ…)
信也「あっ、そういや俺ちょっと仕事が残ってたんだったわ、ま、またな」
ふたば「夏祭りのときだったかな?」
みつば「こ、こら、逃げる気!?」
ふたば「あっ、たぶん海に遊びに行ったときだ! あのときしんちゃんったらねえ」
みつば「も、もうその話はいいってば。別に聞きたかないし」




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