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[そーじの時間] 桜井のりお先生の読み切り漫画『そーじの時間』について

そーじの時間

あらすじ

第58回赤塚賞佳作受賞作。週刊少年ジャンプ2003年28号に読切作品として掲載された、のりお先生の商業デビュー作。
とある小学校の3年2組の掃除の風景を描いたドタバタ劇で、特定の主人公はいない。台詞が一切ない完全なサイレント作品というのが大きな特徴となっている。小学校が舞台であること、また絵柄や容赦ないバイオレンスな作風などは、のちの『子供学級』のそれに近しい。
1~2ページで場面が切り替わっていくスタイルとなっており、扉絵にも出てきた坊主頭の男子、窓拭きをしていたメガネ女子、廊下で雑巾がけしていた男子ふたり、黒板消しをはたいていた女子、ちりとりでゴミ集めしていたポニテ女子、机を運んでいた男子らがそれぞれのシーンで入れ替わり主役となる形。そして彼らのほとんどが酷い目に遭っている。

構成

アオリ文

楽しい給食の後はそーじの時間。とある3年2組では…?

オクリ文

あらゆる困難を乗りこえ磨きあげられた教室がっ!! 今、バラバラだった3年2組が1つに!!!

作者コメント①

はじめまして。作者です。こういうギャグマンガは新鮮かと思う人もいるかもしれませんが、これがギャグの元祖です。これからも動きで笑えるギャグマンガを目指していきたいと思います。

作者コメント②

不平、不満、愚痴、どしどしお待ちしています。でも、なにぶん高校生なのでお手柔らかに。まあ読んで頂ければ、それでいいや。

赤塚賞 審査員講評

第58回赤塚賞における各審査員による講評。

味のある絵と内容のエグ味のギャップが魅力!!

澤井啓夫先生 (『ボボボーボ・ボーボボ』)

絵が上手だし、作中の雰囲気もいいのだが、既存の漫画から抜け出ていない。ここからどう自分なりのオリジナリティを出せるかが勝負だと思う。

うすた京介先生 (『すごいよ!!マサルさん』『ピューと吹く!ジャガー』)

難しいサイレントに挑戦したけど、やはり難しかったという感じ。絵柄のかわいさで毒気が薄くなっているのは好みだからいいけど、もう少しテンポが良いと面白さも増すのでは。

増田こうすけ先生 (『ギャグマンガ日和』)

絵は味があるし、この絵で結構エグかったりする所が面白い。この歳で、この完成度はすごいといえるかも。

近藤裕 (月刊少年ジャンプ編集長)

ある種のスプラッターギャグ(血が出すぎ)。ただ、視点は完全に大人の視点。出てくるキャラクターが、「大人から見た子供像」のように見える。

茨木政彦 (週刊少年ジャンプ編集長)

笑えるギャグは少ないけれども、かわいらしい話を買う。ここから、読者に強烈に「見たい!!」と思わせるキャラ・話を作っていけるかどうかが将来の分かれ目。

編集部から 桜井のりお先生のココがオススメ!!

偉大な喜劇俳優、チャールズ・チャップリンは英語の通じない聴衆のために、あのオーバーアクションの笑いを生涯追求したという…まず「見ただけで笑える」、これが子供達を笑わせるための必要条件です。桜井先生はナチュラルにそれを理解しています。次回作も大期待なのですッ!!

ピップアップ

掲載の経緯について

当時人気漫画『ROOKIES』を連載中だった森田まさのり先生がこの時期体調を崩していたため何度か休載があり、前号27号~35号までの間も連続休載となっていた。そのためこの期間は読切作品が何本か代原として掲載されており、本作もその一環で誌面を飾ることになったようである。なおアンケート結果は20作中14位1)
参考画像:まんだらけ

のりお先生の自評

のりお先生の商業デビュー作として知られる本作。しかし先生ご本人にとっては必ずしも満足な出来ではなかったよう。かつて存在したのりお先生のホームページ「のりぺぃじ(http://www.geocities.jp/ageodai2/)」における自己評価は「読み切り史上一の駄作」「サイレントをやってみたら見事失敗」「ダメもとで出したもの」と散々なものだった。

関連項目

こちら彼女、校門前。

こちらもほぼサイレント作。「そーじの時間」より全然好きとの自己評価。

33卵性「無口な呪文は天然温泉」262卵性「そわそわ帝国」

みつどもえ』のサイレント回。

分類
作品名その他の作品
カテゴリ読切作品・短編
作品データ
タイトル

そーじのじかん

そーじの時間

掲載号週刊少年ジャンプ
2003年28号 (2003.06.09)
収録巻未収録
ページ数19
前作品---
次作品こちら彼女、校門前。
1)
この時の週刊少年ジャンプの連載作品については、こちらのサイトを参照。